丸亀暮らし手帖
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 通町商店街のお店は初心に戻る想いで始めました。お店の名前は以前と同じ「ぽけっと」。お店の大きさも、東京で始めた頃と同じような広さです。かつてのお店も開店当初は全く認知度がありませんでしたが、愚直に営業を続けることでファンを増やしていきました。東京のお店では海外の商品が中心でしたが、丸亀市のお店では国内や四国の自然素材を増やしていきたいと考えています。シャッターの閉まったお店が目立つ通町商店街ですが、店内にコミュニケーションスペースを設け、人の集まる場所にしたいという夢があります。P19保育園児の母親でもある山口さん。丸亀市の人々の優しさがとても印象に残っているようです。保育園に子どもを預けられるのは土曜日は午前中のみです。よって、当初は午後の営業は難しいと考えていました。しかし、今では商店街の人たちが代わる代わるお子さんの面倒を見て下さります。気づけばご飯までご馳走してもらえる仲に。結果、土曜日も終日お店を開けることができ、商店街の賑わいにもつながっています。この都会にはない人と人のつながりは本当にかけがえのないものと感じています。 中心部から少し離れた場所にある自宅の近くには、地主さんが開放している農園があります。その農園を近隣の数世帯で共有し、野菜を育てています。実際に生産に携わることで、自分としても地に足が着いてきた感じがしています。子どもたちも自然に近い暮らしに変わり、より元気になりました。自分の理想とする暮らしと社会を実現するために、山口さんは新しい土地でいままさに歩み始めました。少しずつ、少しずつ、想いを形にしていくのです。この1年で最も印象に残った思い出は?文/ポン真鍋写真/坂口祐

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