丸亀暮らし手帖
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 沖縄県、東京都に続いて全国で3番目に森林面積が狭い香川県。山一木材は、そんな香川県で親子三代が力を合わせて製材業を営む会社です。とにかく木そのものが大好きで、木材コレクターのような創業主のお祖父さま。建築設計を専門とし、木を活かした構造物を考えるのが大好きなお父さま。そして、デザインや場づくりなどこれまでにない切り口から家業に新しい風を吹かせてきた有記さん。5年ほど前、有記さんは「いかに個人に木を身近に感じてもらうか?」をテーマにKITOKURAS (キトクラス)というブランドを立ち上げ、まずは製材所の隣にカフェをオープンしました。森と水に囲まれ、木の温もりを存分に感じられるこのカフェは、いまでは山一木材の代名詞となっています。3人の絶妙なバランスが現在の山一木材を形づくっているのです。 言葉の端々に木に対する愛情と家族愛が溢れる有記さんですが、高校を卒業する頃は家業を継ぐ気などまるでなかったと言います。そんな有記さんが、初めて家業を意識することになったのは大学生の頃。大工や工務店向けに自社で50年以上に渡り開催していた木材市を終わりにするという話が離れて暮らす有記さんの耳に飛び込んできました。物心ついた頃からあった思い出の木材市。元々は家業から離れたくて進学したものの、当たり前にあったものがなくなることで少しずつ家のことも気になり始めていました。そこで一般客向けの木材市にしてみてはどうかと家族に提案しました。P26

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