丸亀暮らし手帖
7/32

P06文/北川拓未写真/坂口祐島に訪れた人の思い出が思い出になる 島で一番の思い出を尋ねるとしばらく考えこんで、昨日島で採れたさくらんぼをお客さんと食べたと教えてくれました。思い出とは特別な出来事が思い出になるものですが、牛島の日々の暮らしは言葉には簡単に言い現せない美しい場面に溢れています。 例えば家族で毎夏訪れていた男の子が、29歳になって今まで行った場所で一番思い出に残っているからと訪ねてきたり、80代のおばあさんが、疎開していた牛島へ再び訪れたかったとやって来たり(しかもここ数年で複数名)、そんなストーリーが沢山あるのです。訪れた人にとっての思い出になる場所。そして訪れた人達の思い出が暮らす人にとっての思い出になる場所。牛島とはそんな美しい島です。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 7

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です