まるがめ せとうち 島旅ノート

まるがめせとうち島旅ノート

© MARUGAME SETOUCHI SHIMATABI NOTE

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手島
塩飽諸島の伝統のトウガラシ「香川本鷹」を復活栽培。
再び手島の特産品として根づきはじめています。
高田正明さん
手島の特産品づくり

手島港から集落に続く一本道沿いに背丈ほどの高さの青々とした畑が広がっています。
8月になると枝の間からはたくさんの赤いトウガラシが空に向かって実をつけます。
ここが高田正明さんの香川本鷹の畑です。

昔、手島では葉たばこの生産が盛んでした。
手島の風土に合い品質の高さを誇っていました。葉たばこを乾燥させるベーハ小屋が旧手島小学校の周辺に4~5軒あったそうです。品質のよい葉たばこは高値で売れて、手島の住民の収入源でした。しかし時代は変わり、葉たばこは徐々に栽培されなくなっていきました。


伝統のトウガラシ「香川本鷹」の種が発見


手島の特産品 香川本鷹

そんな中、2006年に江戸時代に塩飽諸島で栽培していたトウガラシ「香川本鷹」の種が香川県三豊市で見つかります。丸亀市農林水産課の担当者が「せっかくならもともと栽培していた島で復活させたらどうか」と提案し、高田さんたち数人が栽培にチャレンジすることになりました。

苦労したのは乾燥方法。
香川本鷹は実の長さが約8cm、実の付け根の直径が2cmと、鷹の爪のトウガラシよりも大ぶり。大きさに比例して果肉にも厚みがあります。
天日干しを試みましたが、実が厚く水分が多い香川本鷹は乾く前にカビが生えてしまうこともしばしば。試行錯誤の末に灯油の乾燥機で一気に乾燥させる方法で2008年に製品化しました。


手島をバイクで走る高田さん

高田さんの1年間の生産量は製品にして150kgほど。150kgの製品を作るために必要な生の実は1トンにもなります。
料理の香辛料としてはもちろんですが、最近はかりんとうや和三盆などのお菓子にも使われるように。香川県の特産品としても広く知られるようになりました。

高田さんは生産者ならではのとっておきの食べ方を教えてくれました。
「まだ青いんをちぎってなぁ、ごま油でさっと炒めるとビールのつまみにうまいんや。」
青い香川本鷹も結構辛いのだそう。「帰りに摘んでいったらええよ。」と畑を案内してくれました。


高田さんの香川本鷹の畑

自然の中で遊ぶ楽しさを子どもたちに伝えたい


手島の真ん中に位置する旧手島小学校。1991年に手島自然教育センターへと生まれ変わり、たくさんの子ども達を受け入れています。
香川県内の子ども会や遠くは千葉県のサッカークラブが合宿に訪れています。
高田さんはセンターの管理運営を預かり、子ども達に自然の中で遊ぶ楽しさを伝えています。
丸太を並べて結び、浮きをつけて作った「イカダ遊び」が人気。都会にはない体験が子どもたちを惹きつけているのでしょう。


手島自然教育センター

2012年からは丸亀市の塩飽諸島を舞台に「HOTサンダルプロジェクト」がスタート。
東京や京都、金沢などの美術大学の学生が手島自然教育センターに滞在し、アート作品の制作をしています。


西浦海岸の夕日が一番


島影に沈んでいく夕日が高田さんの好きな風景。
少し天気が悪いときには空の下の方に雲がたまって、隙間から見える夕日が真っ赤に染まるのだそう。HOTサンダルプロジェクトの美大生にも必ずすすめるスポットです。

手島の特産品として再び根づきはじめた香川本鷹。
赤い実の一つ一つに高田さんの手島への思いが込められています。


香川本鷹を収穫する高田さん

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